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ホンダと日産自動車の経営統合騒動

  • 執筆者の写真: 金谷 秀則
    金谷 秀則
  • 2月14日
  • 読了時間: 7分

このブログは、あくまで私個人の考えと意見について書かせていただいております。今回はホンダと日産の経営統合、日産の子会社化案の撤廃について、元石油元売販社管理職、自動車整備士、リテールマーケティング販売士の視点から書こうと思います。



 


■日産の対応


今回、日産は経営不振による経営統合を、あくまで対等合併としてホンダと試みました。

この合併は日産の規模から鑑み、国策として行われるものだと思っていましたが違っていましたね。


感じたことは、日産は今の大企業病に一部にかかっていると感じます。

決裂の理由は、結論として子会社が気に入らない…ただそれだけのように思います。

自社へのリスペクトやプライドはあって、そして持っていることは非常に良いことです。

ただ、日産は今の状況を冷静に受け止め、企業の将来の希望を見出そうという本来前向きな回答ではありません。




収支前期比90%減と、その原因を自分たちで分析した結果なのでしょうか。

大企業上層部のみの、エゴや、過去トヨタに次ぐシェアを持っていたメーカーとして、

「ホンダごときに」という考えでしょう。あくまで、【経営幹部】の。

台湾のIT企業【鴻海】との協業や、他の有効な打開策があるのであれば別ですが、これから何十年と日産で働こうとしている若年社員や、日産ディーラーの意見は不安でしょう。



 


■整備士として思うこと


日産は、以前にルノーと提携し、カルロスゴーンを受け入れました。

ちなみに、カルロスゴーンはコストカッターとしての日産社長就任でした。


私は過去、トヨタよりも日産が好きでしたが、その時期から、現場で日産の新車種を見て大きな違和感を感じていました。


これ、日産やべーなぁ… と当時の同僚とも話していたこと。


・セドリック、グロリアのモデルチェンジ

・セドリック、グロリアの生産中止

・スカイラインの生産中止。(GTRが無くなる)

・既存車のマイナーチェンジやモデルチェンジ後のデザインや機能

・新車種見て唖然


私が最初に乗った車は日産のS13シルビア。2台目がY31グロリア グランツーリスモSV。

当時は日産とトヨタがトップ争いをしていた時代だったと思います。





その一世風靡後の主な日産新車種は


・フーガ(セドグロの後継車?)

・ティアナ

・ティーダ、ノート、(コンパクトカー)


ノートは時代背景によりある程度売れましたが、トヨタには既にヴィッツ。ホンダにはフィットが世に出ていました。


私たちの現場では「日産やばいね」という話題。なんでこの車作ったんだろう…?という疑問を持つ人間も多かったです。


それと同じ時期。昔は「どうも安っぽい」と感じていたホンダでしたが、新車種が売れ始めていました。


まずトヨタ。

クラウンの細かいマイナーチェンジとフルモデルチェンジ。

外観、内装みても「さすがトヨタ」

そして、ハイブリッド専用車のプリウス、SAI、レクサスHSの発売。

ホンダは、ローライダー好みの車種からの方向転換。フィットの発売は大きな好転機だったでしょう。その後から、軽自動車(N-BOX)等も売れ始めていました。その他にはオデッセイモデルチェンジ、フリード等々。

インスパイア時代の終結。


あとは、【若者の車離れ=日産衰退】とも見ていました。


日産車は、車好きにとては個性を出しやすい車でしたが、ある頃から、燃費の良さや、純正の良さが、クローズアップされていたので、カスタマイズしない日産車に魅力は感じませんでした。


フーガ…もはやレア車ですが、対抗車種はクラウン。

ティアナ…いまいち位置づけはわかりませんが、ミドルセダンですと相手はマークⅡクラス

ノート…ある意味時代背景には合った車でしたが、フィットには勝てる訳無い。





整備するときも「フーガって、こうなってんだなぁ…」今でも覚えてます。ティアナも。

それだけ台数が発売直後からも少なかったですね。

中古車価格も雲泥の差。


その頃から私から日産車への愛着より

【トヨタという会社の凄さ】を、実際に何百台を触って感じていました。


時代背景の分析、販売ターゲット層、先見の目、内外装デザイン…トヨタさんは凄いですよ。さすがです。既存車のマイナーチェンジやモデルチェンジも期待値を必ず超えてくる、そして機能性と耐久性、何より壊れない。故障も非常に少ない。

ふんだんな社外品(部品)




当時【トヨタ車は100,000キロから】という言葉が流行っていました。


私の中での最後の日産車【Y34セドグロ、シーマ】そして【新型GTR】

この頃から管理職になり、実際の整備現場を離れましたが、気にする事も無くなりました。

昔、【クルマは日産】【男は日産】と語っていた私でしたが。




 



■ハイブリッド時代へ


ここからはホントの本音で書きますが、不快に思われたら読むのを辞めていただければと思います。


前提として、私たちの日産比較はどうしても相手はトヨタ車でした。


当時、トヨタプリウス、ホンダインサイトが発売された頃。日産はモデルチェンジを既存車種に行っていましたが、それを見て、「なんでこんなんなった?」と思うばかりでした。

誰買うのこれ?マイナーチェンジでとどめておけばよかったのに…という評価が多かったです。


とにかく【なんか変】でした。



トヨタは、高級車からコンパクトまでハイブリッドシステムを導入。

デザインチェンジも細かく行い、私達世代では【オヤジ車】のカムリもある意味クラスアップ。すべての車種がスタイリッシュになり、それまで以上に流行りはじめました。




超大衆車のカローラもモデルチェンジとラインナップを増やし、すべてが好評。

ハイエース等の昔は【貨物車】であった車種もグレードアップ。今では高級ワゴン。

取引先の法人車両もトヨタ車が圧倒的に増えた。


そして、海外。


会社勤めしていた頃に、アメリカ、欧州(イタリア、スイス)に行った事がありますが、アメリカはトヨタ車多かった。イタリアはホンダ車が多かった。







←※日産のVモーショングリル(トヨタ似)







  ※トヨタスピンドルグリル→







海外で日産車? 記憶では見ませんね。




その頃の日産はと


日産ブルーバードモデルチェンジ。

ミドルセダンクラスはカムリのようにはいきませんでした。

いっこうにハイブリッド出ません。

とにかく既存車種の現行型がかっこ悪いし、期待値以下。


結局、過去を超えられない、そしてハイブリッド車種すら出さない、かっこ悪い、内装の木目やりすぎ。流線形状が内装と外装が合ってない…等々。


日産フリークだった多くの整備士をがっかりさせた。




 


■日産のEVシフト


これは結論から。


自動車は【イメージ戦略】だけは勝てない。

自動車は、ユーザーにとって家に次ぐ財産となります。日常生活に必要不可欠な部分です。


私は東日本大震災も体験しましたが、当時は【EV】というイメージはたしかに良かった。

でも、化石燃料ゼロは時期早々すぎです。

日産も開発製造コストも相当かかったでしょう。


まず、EV車対応のインフラ整備の完成は、あと数十年かかります。


私は当時、新店舗や店舗改装のハード案件担当していました。

あの時代でもガソリンスタンドの新設や、改装が引き続き行われており、石油元売との会議や設備、設計の段階でも、電気スタンドの設置は議論にもなっていなかった。


東京オリンピック前に、水素スタンドを首都圏に数店舗トライアル感覚で作っただけ。


そしてEVに必要不可欠な電気ですが、私の会社は電気も取り扱っていたのですが、電気代高騰があらゆる議論に含まれる文言。


そこでEV?燃料を100%ガソリンに担保しないのは絶対無理!という意見でした。


当時のインフラ計画では、とても電気だけでは怖くて乗れないでしょ



 


■プライドが許さない日産


今回の日産とホンダの統合は、ホンダに利は皆無。歴史のある日産自動車という会社、従業員を守り、そして未来に向けた開発研究を一緒にやってあげるのがホンダ。

それを、ありがたく受け入れ、日本の自動車業界の発展に協力するべきが日産。


「上も下もない」という日産社長の言葉。

私も世間も、そしてホンダ、ホンダ社員は「ありえない」という認識でしょう。



 

■今後の日産


まず、今回の一連騒動でブランドイメージは地に落ちました。海外メーカーとの協業や、新しい車を作らない限り、改善されないでしょう。


そして客離れによる日産ディーラーの赤字転換、赤字増。


全ては、メディアを前にして、プライドのみが働いて発言した内田社長の波紋。

多くの日産社員、関連企業、その従業員や家族に対し、多大なる迷惑をかける事になるでしょう。


そんなこともわからないのかこの人。悪いお手本やんか。そんなに自分が可愛いか。

企業の社会的役割を無視する日産幹部。


経営者でもあり、技術者でもあり、プレイヤーでもある豊田社長とは思考が真逆です。


いずれにしろ、日産はコストを完全スリム化し、ヒット車種を出す事が必須でしょう。

今はホンダと組んで、ヒット車種を出すべき。



日産経営幹部は、【トヨタイムズ】見なさいって!それを見て、感じてください。






















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