監督と選手の関係 上司と部下の関係
- 金谷 秀則
- 2022年8月13日
- 読了時間: 6分
■2022年高校野球選手権大会 星稜-愛工大名電

ちょっと画像が見づらいですが、先日行われた高校野球の画像です。
9回オモテ 愛工大名電14-2星稜
私も学生時代硬式野球部に在籍していました。
その影響で私のマネジメントは全て野球に通ずるところがあります。
サッカーやラグビーと違って、考える時間とプレーする時間のメリハリがあるのが野球です。
試合の状況と、選手の状況、流れを把握、そして相手の作戦を読む等、色々な状況判断、そして駆け引きがあります。

そして、野球は監督の判断で勝負の8割が決まると思っています。

監督と選手は、3年間共に過ごします。
相手は高校生です。
日々、監督は選手の野球技術や特性や性格、メンタル面等、トータル的にを見て、色々な判断をします。
選手人一人一人の良いところを伸ばし、修正点は練習メニューを変えて改善する。
上司=監督 部下=選手(生徒)
ほぼ一緒です。
ちなみに私のポジションは捕手でした。
捕手は監督の次に試合全体を見ることが出来ます。ですので打たれて叱責を受けるのは投手ではなく、捕手でした。(私の母校は)

捕手は相手の打者のクセ、投手の調子、野手の位置など把握し、判断する役割があります。そして唯一、全体が見える位置でプレー出来ます。
点数とられた時は、ベンチに戻るのが苦痛でしょうがなかったですよ。
私が硬式野球部現役の頃は、まだ【気合い】【根性】【忍耐】の時代でした。
休日は年2回。グランド100週、いつ終わるかわからないノック…水分はお昼休みだけ。
当時は気合いで熱中症を耐えていたんですかね(笑)その単語すらありませんでした。
後ろからバットは飛んでくるや罵声は止まらないわ…そのときは硬式野球部はどこも同じだったと思いますが、メンタルは相当鍛えられたと思います。
今では笑い話です。

そんな環境を過ごし、就職して部下を持つ立場になりました。
私はその監督と同じような鬼指導が身についてしまっていて、結果を出す為だけのことを考え、日頃からやらかしていたんです。
そしてボイコット事件。
社内でも問題となり、業績はどこよりも良かったのですが、厳重注意を受け大きなマイナスを背負いました。
当時の上司に
「部下の仕事に対しての不満は、おまえが力不足ということ。出来ないなら降りろ」
と強く叱責されました。悔しいというより、部下に申し訳なかったという気持ちが強かったです。
今考えれば、今はそんなあたりまえの事だと仕事していますが、その後の人生をも変える大きなきっかけになった出来事でした。
「今の立場にいられるのは、この部下達の頑張りのおかげ」
その時から、大事な部下を早く一人前にすることが、自分の一番の仕事なんだと認識しました。
野球で言えば、選手の良いところを見つけ、鍛え、早くレギュラーメンバーになれるように自分自身が努力することなんです。
マネージャーになった時は、日々売上を見て、部下達とコミュニケーションをとり、みんなのコンディション(体調・精神面)や働く環境(ソフト・ハード)商環境(曜日・天候・来客状況等)を見て、分析して部下に指示、タイムマネジメント采配等を出していました。
その中でたったひとつだけ判断、指示する上で厳しく伝えていたのは
【どんな時でも笑顔を忘れない】です。
何か理由あって、笑顔で仕事が出来ないスタッフは店頭に配置しませんでした。
そして…
【どんな時でも物事を諦めない】
私たちは技術のプロ、そして【接客のプロ】【仕事のプロ】ですから。

そこで、最上段に画像がありますが、2022年選手権で石川県代表の星稜高校が大敗しました。
星稜高校といえば、数年前の県予選で9回裏2アウトから8点差を逆転し奇跡のサヨナラ勝ちで優勝した学校です。

何度も映像を見ましたが、鳥肌が立った方も多いと思います。

8点差逆転の要因は、相手ピッチャーのカーブの調子が、いまいちだということを9回に星稜の打者が見抜いたんです。
そこで、指示が出ました。
1,ストレートは振らない
2,際どいボールはカットする
3,打つのはカーブのみ
4,常に笑顔
それで逆転してしまうのも凄いですけど、その指示通り徹底した結果です。
8点差逆転なんて簡単にできることでもなく、誰もが不可能と思うでしょう。
ただ、数年後にテレビで見た当時のエースの話では、とくに4番の
【どんな時でも笑顔でプレー】に拘っていたそうです。
今回、星稜高校は大敗してしまいました。テレビで見ていたのですが、点を取られ、ゲームが終盤に近づくにつれ笑顔が無くなっていました。
私の見た感じですが、完全に焦りの表情になっていました。
星稜高校は、以前は厳しさの山下元監督。
予選で大逆転優勝して、その後甲子園でも決勝まで進んだ林前監督。

林監督とは松井世代。
山下元監督の頃は、監督は選手を信じ、背選手は監督を信じるといったイメージ。
林元監督の時は厳しい練習でも笑顔を絶やさないイメージ。
今回、試合を見ててずーっと違和感を感じていました。
そして逆転は無理、さらに点を取られるなぁ…と思いながら見てました。
(上の写真は林前監督)
その理由は、選手の表情と監督の表情、仕草、指示采配のアクションが、なんか普通のチームになっているように見えました。いつもの星稜らしさが無く、優勝候補の一角のチームの迫力が感じられませんでした。(今回の星稜高校の監督は代行監督だった)
最後は完全に笑顔が消えていました。
※念のため言っておきますが、監督、選手を悪く思っているのではなく、あくまで感じたこととしてです。監督、選手は県代表で甲子園に出ています。劣っているという意味ではないです。
監督談話で印象に残った監督(8月13日時点)
■八戸学院光星高校監督「自分の采配ミスです」
完全に投手の継投ミスです。続投してれば勝ててたと思います。
今までは継投で勝てた。
それはあくまで今までです。投手の自滅が相手にチャンスを与えてしまいました。
■智弁和歌山高校監督「自分の采配ミスです」
本来予定していた(決めていた)継投を伸ばし、ホームランを打たれ、1回戦敗退。
智弁の1回戦敗退を予想していた人は何人いたでしょう。
相手はチャレンジしてきます。必死です。流れが完全に国学栃木に行ってしまっていました。
部下の文句ばかり言っているマネージャー、課長、部長…管理職いませんか?
部下が何かミスやクレーム、実績が悪いのは「自分の采配ミス」と、まず認めることです。それが事実です。
そして自分を責める事はせず、改善する方法を考える。
それが仕事です。
取り組む前に結果を悪く決めつけることは、いくら部下に対してでも失礼なことです。勘違いしないでください。社長含め、管理職、上司と一般社員の違いは
【偉いのではなく権限を持っている】だけの違いです。
社内に問題を抱えている企業様は、その辺を是非点検してみてください。
偉いという理屈を通したいなら、偉い=権限者 責任=権限者です。
頑張って勝てるチームを作りましょう。
今と昔の比較は必要ありません。
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ご閲覧、有り難うございました。余談も入りましたがビジネスのお役に立てる部分があれば幸いです。
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