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  • 株式会社アン・リテーリング

2023年度の小売業界を取り巻く問題と、その対応

更新日:2023年5月6日






 


金谷 秀則(カナタニ ヒデノリ)

株式会社アン・リテーリング代表取締役 

兼チーフコンサルタント


■歴任

太平洋石油販売株式会社仙台MG

株式会社ENEOSフロンティアMG

菊長石油株式会社 営業本部副部長

菊長石油株式会社 販売部副部長

菊長石油株式会社 直営部副部長

株式会社ENEOSフロンティアSV

株式会社ENEOSフロンティアGM

現在44歳



近々の情勢の中、特に食品については軒並み値上げを各メーカーがリリースしています。

原材料の値上げは大きく消費者の生活に直結しています。



そんな中、大手小売の【イオンリテール】はこの情勢の中で、2023年度2月期に、3期ぶりに黒字化しました。

その黒字化に力を発揮したのが、イオンのプライベートブランド、【トップバリュ】の販売を強化しました。プライベートブランドは、メーカー品よりも利益率を確保しやすいのです。そのトップバリュ品の販売強化を高め、そして無駄なコストの削減に特化しました。



コスト削減策は、レジ精算業務の効率化で、セルフレジの増設と合わせて、スマホ会計の「レジゴー」の普及が生産性向上に寄与したと推測されます。


あとは、アパレル雑貨販売体制のリバイバルです。



過去3年は新型コロナウイルスの影響で、外出時に必要な洋服、鞄、靴を買わなかった、買う必要が無かった期間でもありました。


あれから3年、新型コロナの感染症法上の位置づけが【2類⇒5類】に移行する議論が始まった時期でもありました。現在は既に2023年5月8日に決定しています。



低迷する食品は先に述べたトップバリュのプライベートブランド品の販売と、レジの効率化と合わせ、【3年買わなかった物を買い始める】アパレル雑貨品の販売でリバイバルプランを達成させたと想定します。


イオンリテールと合わせ、大手コンビニのファミリーマートは、店内広告のデジタルサイネージに防犯上の役割を含めたカメラを設置し、お客様の行動をAIで解析することで、より良い売場作りにすでに着手しています。



コンビニ業界もレジ精算はタバコの販売や公共料金の支払い代行等を行っている為、セルフレジ比率を上げるというのは店舗の面積から考えても、イオンリテールとイコールにはなりませんが、自動精算機導入による金銭管理の効率化に寄与していると思われます。


店内調理の多いミニストップでは、来店客の減る夜中は完全セルフ化で、顧客がバーコードを読み取らせ、精算している店舗も散見されます。


このように、大手小売やコンビニ業界では、上記で述べた他に、ポイント決済やカード発行、スマホアプリ利用客の拡大に力を入れています。




次は無店舗販売(ECサイト・ネットショップサイト)です。




ほんの数年前までは、リテールメディアを活用して、ネットと店舗を繋ぎ、ネットを見て、それを実店舗で見る。そして、改めて実店舗の販売員の説明等があり、決済はネットという流れのOMO(on-line merges off-line)DX化の推進の提案をメインで進めてきました。


大手小売りは再度、DXにAI機能を持たせた取組を加速させています。

そして強みでもあるカスタマーマネジメント(顧客管理)


このデータを駆使し、マスマーケティング⇒1to1のマイクロマーケティングに移行を加速させると思われます。その基盤となるアプリ決済やポイント決済がほぼ定着しつつあるため、スピード感のある変化が今後発生するでしょう。


このネットショップ業界も既に戦国時代となっている為、サービスによる差別化で、顧客視点の考えとしては、どんどん便利になっていく。店舗側としては、模索。構築中の分があるものの、効率化による更なる生産性の向上を目指しており、実現化、定着化までわずか数年であろうと考えます。



当社でも当初は、柱であるコンサルタント部の取組に付随するリテールサポート部、そして追加でEC、DX推進提案、教育の為のリテールメディア部と、需要に合わせ自社内で内製化させて来ましたが、各部単体の業務の急増により、全て事業部化し、コンサルティング事業部付随という考え方を無くし、リテールサポートは研修や店舗運営に関わる広告物の販売、機材販売を事業化。



リテールメディアは当社の教育プログラム用のECサイトをショップ化し、各種トライアルを実施しながら販売も強化しています。




ガソリンスタンドやカーショップ等のカーアフターマーケットでは、カーショップは一般小売業の為、大手の取組に追従し、更に他小売店に無い技術サービスの販売の強化や、自社HPから見積書発行、顧客情報管理、購買履歴管理、作業履歴管理、自動車保険満期管理、車検・自賠責管理、部品検索や中古車オークションの検索システム、提携ローン会社の審査システム等、ひとつのシステムで最大15の機能連動可能な【JOCAR】が普及しつつあります。







小売業でも特殊な位置にあるガソリンスタンドは、石油元売りの販促部門から提供されるシステムを導入させ、人材不足を補填すること、顧客サービス向上の為の効率化システムがあります。







内容は同様なサービスを行うカーショップとほぼ一緒で、顧客来店数管理から車検やタイヤ、オイル交換、コーティング等のメンテナンス商品の購買履歴管理が出来る【フロントマスター】


現在はフロントマスターに顧客のフォローやサービス提供(DMやSNSでの告知等)連動させ、業務の一元管理化を図り、現在定着しつつあるとづ推測します。





ただ、この2業種での課題は、カーショップはオーナー店。ガソリンスタンドにおいては元売販社、特約店、販売店と、会社規模が大きく違う状況にあることです。


大手オーナー店、大手元売り販社はコーポレートチェーンという形態で、店舗も多数あり、大規模小売業に位置しますが、特約店、販売店においては、レギュラーチェーンという形態で店舗を運営するします。


違いは、運営会社が人材や仕入れ、店舗設備等をまかない、元売り等の外部組織が干渉せずに全て自社運営します。特約店にも規模の違いがあり、その違いがある為、独自で最も適したシステムを導入し、他運営会社と統一されることはありません。



販売店は、小規模な一族経営、家族経営の店舗です。

今では【ENEOS】【コスモ石油】【出光昭和シェル】の大手元売りがありますが、レギュラーチェーンは、石油元売りに保証金を積み、契約を交わします。


その契約内容によっては石油元売りとの関係性はまったく変わってきます。販売店は、特約店との契約となります。


そこがとても複雑な部分で、ここで全てを説明するのが困難ですが、同じメーカーでも、経営方針や取組はまったく違うのが大部分です。





元売販社の取組やシステムが、ガソリンスタンドの基準となりますが、元売販社も、それを石油元売りのリテール部門から購入しなければなりません。


ただ、元売販社は石油元売と連結決算の為、最新鋭のシステムが導入されている事が多いでしょう。ただ、運営は別なのでその分、石油元売に対するコストが大きくのしかかります。



単独決算の特約店、販売店は、他業種のチェーンのように大きな設備投資が出来る店舗と、出来ない店舗と分かれます。


ただし、大規模特約店は元売販社を上回るクオリティを持った店舗を多数抱えていたりしますので、レギュラーチェーンのメリットを最大に生かせるでしょう。


ですので、少し話はそれますが、今後ガソリン車が減ってくる中で、中小特約店、販売店はせめてマイクロマーケティングのノウハウは必要となります。





この複雑なガソリンスタンドは、生活インフラ事業でもあります。


そこで、消費者としてしっておかなければならない事は

【ガソリンスタンドのガソリンは、どのメーカーも同じ】であることです。



メーカーごとに違うという認識が一般論となっていますが、配送コストもかかる為、どのメーカーも近くの【同じ製油所のタンク】からタンクローリーに荷下ろしされます。ですので、全メーカー同じガソリンだということを知っておいてください。



当社のある宮城県は、【ENEOS仙台製油所】があります。東北地区は全メーカーの店舗分がそこから配送されます。タンクローリーは使い分けしなければなりません。


東北のガソリンスタンドは、極端に安いお店以外は、全部ENEOSのガソリンです。



首都圏は千葉の鹿島製油所、コスモ石油千葉製油所、出光昭和シェル千葉製油所等

あとはENEOS川崎製油所、東亜石油京浜製油所…


北海道は出光昭和シェルの北海道製油所1カ所です。


あくまで、【物は同じ】で利便性やサービス内容で差別化されますので、自分の生活サイクルに合ったお店で給油するのが一番効率的かつ経済的です。それが、万が一の時のインフラ確保にも繋がるのです。電気も、物は見えませんが一緒なのと同じということです。



 


話はそれましたが、反面フランチャイズチェーン(FC)は親会社をフランチャイザーと呼び、加盟店をフランチャイジーと呼びます。

主にはコンビニエンスストアです。



フランチャイズシステムによる多店舗展開する組織形態です。


フランチャイズのメリットは、全ての経営ノウハウ、商標、システム、SV(スーパーバイザー)による指導等、店舗運営に必要な物のほとんどが提供されます。


店舗ごとに大きな差は無く、システムについても、最初に説明した大規模小売業(イオンリテール等)と同様に更新され、最新のAI分析による店舗配置や商品陳列、商品受発注が行われ、リードタイムの短縮にもつながります。その辺は、大規模小売業のミニマム版と認識して頂ければわかりやすいと思います。


そしてその全てを提供してもらうかわりに、売上に対するロイヤリティをフランチャイザーである経営者が、親会社であるフランチャイジーに支払うという形態です。

フランチャイズのメリットは、経験やノウハウが無くても開業が可能であることです。

ただ、全てが揃っていても、経営者や指導するスーパーバイザーによって、多少の特色がでているのが実態です。



これは私の経験ですが、最近、近所にローソンが新店舗を出店しました。


その1キロ程度離れたところにファミリーマートがあり、以前はもっと近い位置にセブンイレブン、ミニストップが2店ありました。


その後、セブンイレブンが無くなり、ミニストップが1店舗なくなりました。

そのタイミングでローソンが出来たという流れです。


それで、何を見て感じたかというと、ローソン本部のトレーナースタッフの接客力の高さ

と、マチカフェ、まちかど厨房です。




私の中で、「次からはここに来よう」と思い、毎日通っています。




正直、夜中の接客の話はしませんが・・・切手1枚、コーヒー1杯だけでも、気持ちよくお店を出てこれます。あとは店作りで、まちかど厨房はお店につくものですが、少しでも出来る範囲内でのオリジナリティを出そうとしているのが感じられました。




陳列が上手い下手は別で、ローソンの標準はしっかりされていて、プラスアルファに工夫が感じられました。そこを担当するスーパーバイザーと、経営者、スタッフさんの意識の高さが私の中では、他店と差別化されています。





立地は目の前にスーパー、ホームセンター、薬局があります。普通はスーパーの前じゃ厳しいと思うでしょう。


ただ、スーパーも色々。品揃え、サービスレベルも異なります。しいて言えば、ローソンにとっては負ける相手ではないレベルだと判断したのかと想定します。

私も出来れば行きたくないスーパーです。



客層もまったく違います。スーパー(大手)と競合する商品はありますが、客層が違うので、集客力の高さが最大のメリットです。角地で駐車スペースも他コンビニよりも多く確保されています。


私の目で、どの角度から見ても、同一商圏内の同業に負ける訳が無いお店です。



 

長くなりましたが、今後待ち構えている問題は、トラックドライバーの時間外労働の制限です。これは【働き方改革】のひとつです。2024年問題です。





2024年問題とは、働き方改革関連法によって2024年4月1日以降、自動車運転業務の年間時間外労働時間の上限が960時間に制限されることによって発生する問題の総称のことです。


とくに食品流通のドライバーは、手積み手降ろしの重労働を強いられたり、センター到着後の待機時間がムダに長いことで敬遠されがちな業務です。そこに加えて時間外労働時間が制限されるということもあり、収入にも直撃することもあり、ますますドライバー不足が深刻化するのではないかと言われています。





急務となるのが製配販のサプライチェーンの協調体制の構築となります。これまでは製・配の協調が中心でしたが、これに加えて販・小売業との連携が不可避となっています。



サプライチェーンにおける物流は様々な問題が横たわっており、具体的には受発注条件、無駄な荷待ち時間、荷役時間、検品時間などがあります。これらをそれぞれ解決するためには、リードタイムの見直し、先着順から予約制への変更、ばら積み貨物のパレット化やサイズの統一化、三分の一ルールの見直しなどが求められます。



また、卸からメーカーへの発注リミットは午前中が大半で、小売業からの発注があがってくるのが同じ午前中であったり午後一時であったりとばらつきがあり、情報連携にラグが発生してしまっていることも大きな問題となっています。


2023年はこれからの難問を解決し、摩擦がないなめらかなサプライチェーンの構築がしっかりと検討できる重要な一年となります。




 


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